ほろ苦 空心菜

空心菜を食べた。

背筋を伸ばして、シャキシャキ 音をたてながら

ごま油の味のする空洞の茎を噛んでいると、

なんだか色んなことを思い出した。

隣で、相方もシャキシャキしながら思い出しているようだった。

14年前 笹塚にある屋台の様な中華屋。

それぞれの仕事の傍ら、スクランプシャス という

まだ全く未来のわからないことをスタートした時期だった。

お金もなくて(今もないけどね)、でも、希望に充ち満ちていたころ。
マンションを出てすぐの水道道路には活気のある中華屋があり

お昼ご飯を食べにいって、相方がおかわりを2回すると、

最後には、おひつでご飯を持ってきてくれた。

日本語をしゃべらない店の人は

「もう、昼の部終了だから 勝手に食べなよー」という目配せで

おひつを置いていってくれた。

私達、あまりに貧しく見えたんだろうか?(笑)

店の人は、ちょっと気の毒そうにこっちを見ていた気もする。

おひつを前に、笑いをこらえるのに必死で必死で。

おんなじくらい、ありがたくてたまらんのでした。

空心菜をシャキシャキ食べながら、

ふふ ふふ と二人で笑いながら、

「こういうことって なんでか忘れないねーー」と

ゲラゲラ笑った。

来年は15周年。 50周年目指すで!